秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
話しているとチャイムが鳴った。
運転手さんが荷物とドリンクを持ってきてくれたようだ。

雅臣さんは受け取ったドリンクを持ってまた寝室へともどってきた。

「真帆。とにかく飲んでくれ。お昼も食べてないんだろう。だから余計に具合が悪くなったんだ。体を冷やして水分を摂ろう。」

私を起こし、背中を支えてくれ飲ませてくれた。
少し良くなったがまだフラフラするし手が震える気がする。

また迷惑かけちゃった。

「雅臣さん。疲れてるのにごめんなさい。面倒見させるためにいるわけじゃないのに。」

「いいから、真帆。とにかく一度横になろう。ちょっとキッチン見てくるから。」

私をベッドに横にすると、雅臣さんはキッチンへ行ってしまった。冷蔵庫や棚を開ける音が聞こえる。

「真帆。たいしたものがないんだけどひとまず味噌汁作ったから飲んでみよう。野菜も入れたけどまずは知るだけでいい。そこにビタミンやカリウムが入ってるから少し良くなるはずだ。少し冷ましてきたんだけど飲めるか?」

「はい。少し身体が冷えてきたので温かいものが嬉しいです。」

具沢山の味噌汁だが、正直今はまだ食べたいと思えない。汁だけ飲ませてもらう。

なんだかよくわからないけれど何かが身体に浸透していくのが分かる。
あれ?なにこれ。
手の震えがとまる。
フラフラしていたのにスッキリし始めてる。

不思議。

気持ちの悪さも楽になってきた。

「さ、真帆少し休もう。」

「はい。」

私は目をつむるとすぐにうとうとしてしまった。
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