秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
目が覚めると周りはすっかり薄暗くなっており、部屋は電気が落とされているがドアの向こうは明るかった。

私は身体を起こし、ベッドサイドに足を下ろすが特にフラつく感じはない。
手の震えも消えている。

立ち上がり、ドアを開けるとソファで目をつむる雅臣さんの姿があった。

そうだよね。
疲れてるよね。
帰ってきたと思ったら私が倒れるんだもんね。
ごめんなさい、雅臣さん。

私はソファの目の前で跪き、雅臣さんの手に自分の手を重ねた。

顔を見ると目の下にはクマができており、どことなく痩せたような気がする。

私は雅臣さんの寝顔をみて、そばにいてくれるんだと実感できて嬉しい。

起きたらどんな話をするんだろう。
呆れられてない?
怖い。

そばにいたいから、だから…
雅臣さんからの言葉が怖い。
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