秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
お昼になり、今週は美香ちゃんや春子ちゃん達と食べに行くことができた。

「先週は死にそうでしたね。真帆さんも顔がいっちゃってましたよ。」

「ヤダ。そんなに?今朝から何人にも元気そうだなって言われたの。恥ずかしすぎる。」

「真帆さんはみんなのアイドルですもんね。マスコット的な?」

「いい意味なの?それともいじられてる感じ?」

「もちろんいい意味ですよ。面倒見もいいし、作業も的確で、意としてることを読み取る力もすごいですもんね。営業課にはなくてはならない存在ですよ。」

「まさか!言い過ぎだよ。」

「言い過ぎじゃないですよ。営業に大人気ですよ。だから私達に話しかけず、みんな真帆さんに話すじゃないですか。話しかけたいんですよ。真帆さんに癒されたい、とでもいうのかな。」

「まさか。」

「気がついてないんですか?正直、何人かに狙われてますよね。でも真帆さんが切り捨ててるけど。」

「切り捨てる?!まさか。そんなならお局になってないよ。」

「切り捨ててますよ。この前も林くんが誘ってくれたのは真帆さんだけなのに私まで行って気まずかったです。」

「え?そんなことないよ。みんなで食べに行こって話になったもん。」

「それは真帆さんが言うからです。」

「え?」

「それに畑中さんともご飯いきましたよね?しがちょっとオシャレなやつ。」

「うん。美味しいお店だって連れて行ってくれたの。私食べるのが好きだからって。」

「違います!気があるからオシャレなとこに誘ったんです。」

「そうなの?」

「橋本くんだって狙ってますよね。」

「そうですよね。私もそう思ってました。」

「ただの同期だよ。」

「もーっ!真帆さんはどれだけ鈍いんですか?」

「鈍い?全然わからないんだけど。2人の気のせいだよ。みんなただの同僚だって。恋愛対象ではないでしょ。私みたいなのはさ。」

「そんなことないです。真帆さんは可愛い。」

「嬉しいけど2人に言われてもなぁ。2人とも優しいからそう言ってくれるのはわかってるし。

「もーっ。真帆さんは可愛い!間違いない。」

私達はなぜか私の話で盛り上がりお昼が終わってしまった。
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