秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「可愛いね。姪っ子ちゃん。」

「そうだな。唯一の姪だからな。2時間はかかるっていうから少し寝とけ。俺も出るから部屋を少し暗くしておくな。」

「ありがとう。」

私は橋本くんが出た後、薄暗くなったこともあり眠ってしまった。




「杉原…。」

「う…ん。」

「起きられるか?点滴の後もよく寝てたよ。でもそろそろ帰ろうか。」

「う…ん。」

「大丈夫か?」

「起きたら目眩がまだするけどさっきよりだいぶいいよ。」

「杉原さん。月曜日には結果が出るからまた来れる?なんなら明日また点滴しに来て。出かける予定もないから点滴してあげるわ。それと今着替えを持ってくるから待っててね。」

「あ…ありがとうございます。」

橋本くんは部屋から出てくれて、お姉さんが持ってきてくれたルームウェアに着替えた。

タクシーを呼んでくれ、浴衣を持った橋本くんは私を支えながら乗り込んだ。

「なぁ、家で1人は無理じゃないか?うちに来ないか?明日…といっても今日また点滴に行くし。」

「そんなの悪いよ。何とかなるから大丈夫だよ。」

「何とかならないだろ。今もフラフラだぞ。」

「これ以上迷惑かけられないよ。」

「こんなの迷惑でもないよ。とりあえずうちで寝て、ゆっくりしてまた点滴しに行こう。」

「ありがとう。」

私は正直、体調が悪くて家に帰ってもどうしていいかわからないほど。
だから橋本くんの提案はとても助かった。
誰かに頼りたいと思ったけど雅臣さんに、とはいえなかった。

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