秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
翌朝目が覚めるとどこにいるのか分からず焦ってしまう。

あれ?

どうしたっけ??

「杉原、目が覚めてる?」

「あ、うん。」

橋本くんの家だ、ここ。

「開けていい?」

「うん。」

「調子はどう?だいぶ寝ていたけど少しは落ち着いてきた?」

「うん。昨日は頭が締め付けられるみたいに痛くて目眩がしたけど今日はだいぶいいみたい。頭が重いけど目は回っていなさそう。」

「良かったな。一応もう一度点滴しにきたらいいって姉貴は言ってたよ。」

「いいのかな?」
 
「もちろん。とりあえず何か飲める?食べれそう?ゼリーあるけどどう?」

「あんまり食欲ないかな。でもゼリーは食べたいかも。」

「じゃ、食べてみるか。持ってくるよ。」

「大丈夫。そっちに行くよ。」

「じゃ、顔洗ってくるか?洗面所はそこ。タオルも出しとくよ。」

「何から何までありがとう。」

「気にするな。」

私は立ち上がるとふらっとした。
慌てて橋本くんが支えてくれた。

「立ちくらみはあるみたいだな。」

「そ、そうだね。ビックリした。」

少し動かずにいると落ち着いてきた。

「もう大丈夫そう。ごめんね。」

「ほら洗面所まで連れて行くから。」

そのまま抱えられるように洗面所へ連れて行ってくれた。

歩くと少しふらつくが昨日ほどではない。
顔を洗うとソファに案内された。

「橋本くん、意外と部屋が片付いてるね。きちんとしてるんだね。」

「普通だろ。さ、オレンジとモモ、ブドウがあるけどどれがいい?」

「オレンジください。」

「飲み物はレモンティーでいいか?」

「うん。」

< 135 / 182 >

この作品をシェア

pagetop