秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「美味しい。」

「良かったな。」

橋本くんと話すとホッとする。

「今何時?」

「11時過ぎだよ。」

「嘘!ごめん。すごい寝ちゃった。」

「それだけ体調悪かったんだろ。午後にでも点滴しに行くか?」

「うん。今のままだと明日仕事に行けなさそうだからお願いできるならしてもらいたいな。」

「向こうもそのつもりだから大丈夫だよ。ゼリー以外食べたいものあるか?」

「今はないかな。ごめんね。」

「いや、何かあれば言えよ。遠慮はするなよ。そのうちお礼してもらうからさ。」

「じゃ、遠慮なく…もう1杯レモンティーください。」

「はいよ。」

「ありがとう。」

橋本くんはテレビをつけてくれ2人でボーッと眺める。
ラーメン特集しており、美味しそう。

「うわ、ラーメン食いたいな。」

「そうだね。美味しそうに見えるね。」

「今食べれる?」

「今は無理。」

「なら帰りに元気ならラーメン行くか。」

「元気なら、ね。」

「だな。」

「あ、ごめん。私に付き合わないでご飯食べて!ごめん。しかもベッドも私が占領しちゃったね。」

「大丈夫。これも貸しだから。」

「どんどん貯まるー。怖いよー。」

「うひひ。」

「同期割引してね。付き合い長いんだから。」

「考えとくよ。」

「そろそろ行く?」

「うん。お願いします。」

「車を回してくるよ。」

「ありがとう。」

橋本くんは立ち上がると車のキーを持ち玄関を出ていった。

私は憂鬱だがスマホをバッグから取り出して恐る恐る画面の確認をした。
< 136 / 182 >

この作品をシェア

pagetop