秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない

翌朝、すごい顔になっているが休み続けるわけにはいかない。

私は顔を洗い、髪の毛をまとめると少し気合が入ってきた。
けれど胃のむかつきがおさまらず、橋本くんにもらったゼリーとレモンウォーターだけ摂ることができた。

電車に揺られると気分が悪いが、休めないという気持ちだけでなんとか会社までたどり着いた。

席に着くと橋本くんはすでに席にいて話しかけられる。

「おい、大丈夫か？顔が真っ青になってる。」

「大丈夫。ちょっと電車で酔ったみたい。」

「飲み物買ってこようか？」

「うん。レモンか炭酸水お願い。すっきりするもの。」

「分かった。少し机で寝とけ。まだ早いから大丈夫。」

私が机にうつ伏せになると背中にジャケットをかけてくれた。

「ごめん。」

「ほら、目を閉じておけ。また眩暈がしたら大変だぞ。」

「うん…。」

私はそんな姿を雅臣さんに見られてるとは思いもしなかった。

橋本くんが買ってきてくれた炭酸水を飲むと少しむかつきが落ち着いてきた。

「ギリギリまで横になっとけ。」

「うん。」