秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
橋本くんは受け取らない代わりにそのうち奢ってくれ、という。

もちろん、回らないお寿司でも焼肉でも奢るよ。
こんなにお世話になるなんて思わなかったもん。

午後もどうにか仕事を終え、私は残業できず帰ることにした。

私は今日雅臣さんはいたが一言も言葉を交わさなかった。

雅臣さんからも話しかけられることはなかった。

「送っていこうか?」

「大丈夫。ありがとう。」

「それじゃ、お先です。」

「真帆さん、明日もし調子悪ければ休んで大丈夫ですからね。私たちがんばります。真帆さんいつも頑張ってるからこんな時くらい頼っても大丈夫ですよ。来てくれたら嬉しいけど無理はしないでくださいね。」

「ありがとう。」

「杉原、車乗ってくか?今から営業に仙川行くけどお前んち近くなかった?」

畑中さんが声をかけてきてくれた。

「え?うん。千歳烏山。いいの?」

「途中だからいいよ。」

「助かるかも。ありがとう。」

「じゃ、いこうか。」

私は畑中さんに乗せてもらい帰ることができた。
もし電車だったらまた具合が悪くなってたと思う。
強がっても身体は正直。

でも…つわりってこんななの?
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