秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
立ち上がり、インターホンを見ると雅臣さんの姿があった。
「真帆…。」
その声に私はいてもたってもいられず玄関の鍵を開けた。
「真帆。良かった。大丈夫か?」
「うん。」
「真帆。思い出したんだ。真帆が言ってたこと。」
「?」
「真帆があの日女の人の声がしたって言ってただろ?宮川文具の竹中専務なんじゃないかと思って。俺がこそこそ電話してたから、後ろからふざけて名前を呼ばれたよ。早く来て〜と女の声色だった。」
「まさか。」
「いや、竹中専務に聞いてもらってもいい。」
「そんなこと聞けるわけないじゃない!」
「そんなことはない。大事なことだ。専務がふざけたせいでこんなことになってるんだ。花火も行けなかった挙句、真帆が体調を崩しているのに俺がサポートできないなんて。」
「…。」
「それに仕事してても手につかないんだ。みんなは真帆を堂々と構えるけど俺は構えないじゃないか。」
「手につかないなんてことないです。雅臣さんに限って…。」
「そんなことない。専務のこともやっと思い出したんだ。こんなくだらないことのせいだなんて口惜しくて。専務の舌を切ってやりたいよ」
「ちょっと…!」
「真帆が大切だって何度も言ってる。真帆以外いらないって。」
「雅臣さん…。」
「真帆が休むなんて相当だろう。それなのに俺は連絡ももらえない。橋本のジャケットかけられてるのも破いてやろうかと思うくらい腹立たしかった。橋本が何故お昼と一緒にしてる?何故畑中が真帆を送るんだ?みんなみんな苛立たしい。真砂も竹下もよくやってくれるよ。でも彼女たちじゃ真帆の仕事は真似できないんだ。真帆がいないと。」
雅臣さんの気持ちが溢れ出て止まらない。
「どうして俺だけが真帆を構えないんだ?真帆を愛してるのに堂々とできないなんて納得がいかないと思わないか?」
「えっと…。」
「真帆。カッコ悪くてごめん。真帆はいつも俺をイケメンだって、優しいってかっこいいって褒めてくれるだろ。でもこれが俺だよ。真帆を好きなただの男だよ。」
「…。」
「こんなカッコ悪い奴は嫌いか?真帆の前では頑張りたいんだけど本心が漏れてしまうんだ。なりふり構ってられない時があるんだ。この前は強がって同僚とのご飯も行ったらいいと言ったが本心は行って欲しくないに決まってるさ。でも小さい男だと思われたくなくて。」
「雅臣さん、ひとまず中に入って。立ち話が辛いんです。」
「悪かった。」
「真帆…。」
その声に私はいてもたってもいられず玄関の鍵を開けた。
「真帆。良かった。大丈夫か?」
「うん。」
「真帆。思い出したんだ。真帆が言ってたこと。」
「?」
「真帆があの日女の人の声がしたって言ってただろ?宮川文具の竹中専務なんじゃないかと思って。俺がこそこそ電話してたから、後ろからふざけて名前を呼ばれたよ。早く来て〜と女の声色だった。」
「まさか。」
「いや、竹中専務に聞いてもらってもいい。」
「そんなこと聞けるわけないじゃない!」
「そんなことはない。大事なことだ。専務がふざけたせいでこんなことになってるんだ。花火も行けなかった挙句、真帆が体調を崩しているのに俺がサポートできないなんて。」
「…。」
「それに仕事してても手につかないんだ。みんなは真帆を堂々と構えるけど俺は構えないじゃないか。」
「手につかないなんてことないです。雅臣さんに限って…。」
「そんなことない。専務のこともやっと思い出したんだ。こんなくだらないことのせいだなんて口惜しくて。専務の舌を切ってやりたいよ」
「ちょっと…!」
「真帆が大切だって何度も言ってる。真帆以外いらないって。」
「雅臣さん…。」
「真帆が休むなんて相当だろう。それなのに俺は連絡ももらえない。橋本のジャケットかけられてるのも破いてやろうかと思うくらい腹立たしかった。橋本が何故お昼と一緒にしてる?何故畑中が真帆を送るんだ?みんなみんな苛立たしい。真砂も竹下もよくやってくれるよ。でも彼女たちじゃ真帆の仕事は真似できないんだ。真帆がいないと。」
雅臣さんの気持ちが溢れ出て止まらない。
「どうして俺だけが真帆を構えないんだ?真帆を愛してるのに堂々とできないなんて納得がいかないと思わないか?」
「えっと…。」
「真帆。カッコ悪くてごめん。真帆はいつも俺をイケメンだって、優しいってかっこいいって褒めてくれるだろ。でもこれが俺だよ。真帆を好きなただの男だよ。」
「…。」
「こんなカッコ悪い奴は嫌いか?真帆の前では頑張りたいんだけど本心が漏れてしまうんだ。なりふり構ってられない時があるんだ。この前は強がって同僚とのご飯も行ったらいいと言ったが本心は行って欲しくないに決まってるさ。でも小さい男だと思われたくなくて。」
「雅臣さん、ひとまず中に入って。立ち話が辛いんです。」
「悪かった。」