秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
雅臣さんといると自然とつわりが軽くなるみたい。

私は千佳にもらったアイスを雅臣さんと食べれた。

「星川さんが来てくれたのか?冷蔵庫もこんなに入れてくれて…ありがたいな。今度お礼をさせてもらうよ。」

「でも…私、散々雅臣さんのこと悪く言っちゃいました。だから印象悪くなってるかも。ごめんなさい。」

「それは仕方ないさ。星川さんに信用してもらえるよう努力するだけだよ。」

「千佳も私のことを支えてくれるって、どんな時でも味方だって言ってくれた大切な友達なんです。だから雅臣さんとも仲良くなってほしいです。」

「そうだな。」

「それに…千佳も妊娠してるんです。だから同級生になるかも。」

「本当か?なら余計に仲良くしてもらいたい。」

「うん。」

「明日からどうする?会社に行けるか?」

「どうかな…。火曜日電車に乗ったら気持ち悪くて。でもいかないわけにはいかないから明日行くつもり。早めに出て混雑を避けるよ。」

「でも新宿を経由するからどうしても混むのは必至だろ。このまま木、金は休んで来週からにしたらどうだ?うちに来ないか?うちからなら電車7駅だ。乗り換えもないし。」

「う…ん。」

「ダメか?」

「そんなことない、けど…。迷惑かけるのが目に見えるから…。」

「俺が真帆の世話をするために来てもらうんだ。それに真帆は俺にはできない赤ちゃんを育ててくれてるんだからいいんだよ。」

「気持ち悪くて、寝てばかりだよ?いいの?」

「もちろん。ここで1人でいることを考える方がよっぽどか辛い。真帆、気を遣うのはなしにしよう。」

「うん。」
 
「じゃ、明日俺も休む。だから荷物をまとめよう。引っ越しはまた改めて、だけどひとまず移動だけできるように。」

「え?休むなんて…ダメです。会社に行ってください。」

「どうして?」

「仕事は大事です。これから休まなきゃならないことがあるかもしれないし、有給を大事にしましょ。」

「仕方ない。じゃ、明日仕事の後、車で迎えにくるよ。荷物は俺がまとめてやるから何もしないで大丈夫だ。」

「うん。」
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