秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
翌日、千佳に電話をした。

『千佳?昨日はありがとう。あのね、あの後雅臣さんがきたの。それで…誤解が解けたの。でね、プロポーズされたの。』

『真帆。よかった、よかったね…。』

電話の向こうの声が震えている。
千佳にしんぱいかけちゃったな。

『ごめんね、心配かけて。それでね、赤ちゃんがいるって言ったら泣いて喜んでくれたの。ありがとうって。』

『そっか。良かった、良かったよ。』

『うん。全部曝け出してって意味がわかった。雅臣さんはいつも私がイケメンだ、カッコいい、仕事が出来るとか言い続けちゃってたの。それでダメなところを出せなかったみたい。カッコつけていたところがあるって。普通の男だって言われちゃった。つい課長として見ていた時期も長いから仕事のできる男、とかそういうふうにばかり見てたのかも。』

『確かに立場とかを先に見て、ついそういうので見がちかもね。』

『これからは全てちゃんと話して、思ってることも今以上にちゃんと言おうって。』

『誤解が解けて良かった。ここからがスタートだよ。旦那は所詮他人だから…。けどそこでどれだけお互い歩み寄れるか、だからね!』

『千佳の言葉は重いね。でも、仲良く頑張れそう。赤ちゃんを泣いて喜ぶくらい優しい人だから。』

『そうだね。今度ゆーっくり会わせて。私が見定めるから。』

『お願いします。』

『またね!』

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