秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
雅臣さんは宣言通り私の荷造りをして、家に連れて帰られた。

「真帆、何か食べるか?」

「いらない。」

「何かして欲しい?」

「大丈夫。雅臣さんは仕事帰りなんだからゆっくりして。」

「いや、何かしてあげたいんだ。」

「でもしてもらうことないから。ね、ご飯でも食べて。私も気を遣われると落ち着かないし。」

「ごめん。つい嬉しくて。」

「ね、土曜日に産婦人科に受診なの。一緒に行ってくれる?」

「もちろん。楽しみだ。」

「うん。」
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