秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
仕事中雅臣さんはチラチラと私の方を見てきてドキドキする。

心配しなくても何とか働けるのに。

また今も目があった。
休憩時間だからか話しかけてきた。

「杉原、大丈夫か?コンビニに行くがついでに何か買ってこようか?」

「課長。大丈夫です。持ってきていますから。ご心配おかけしてすみません。」

「いや。じゃ…。」

「いってらっしゃい。」

私は雅臣さんを見送り、持ってきたゼリー飲料を開けた。

今はこれとグレープフルーツジュース、もずく、炭酸水で生きてると言っても過言ではない。時折素麺も食べられる時が、それも数口程度。

赤ちゃんは育ってるし、私がもう少し頑張るしかない。

少しゼリー飲料を飲み、デスクで休憩したら少し楽になった。

午後に入り、資料を集めるため歩き回る。
それをまた雅臣さんが見てくる。
心配しすぎ…もう!

「課長、大丈夫ですから!」

「あ、あぁ、すまない。よろしく頼むよ。」

「はい。」

私は何とか通常業務を終え、さらには部長から頼まれたものも明日までには終わりそうなところまで目処がついた。

「ごめんね、お先に失礼します。」

「お疲れ。」

私はいつもと反対方向のホームに向かった。

まださほど混んでおらず何とかマンションまで着いた。

シャワーを浴び、ソファに座ると眠り込んでしまった。

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