秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない

月曜日、出勤するとめざとく橋本くんが左手を見てきた。

何か話したそうにするが、私たちは朝のミーティングで話すことに決めておりあえて橋本くんと目が合わないようにした。

気のせいかみんなも私に視線を送っている気がする。

私はパソコンを立ち上げ、まだ早いが仕事を始めることにした。

週の初めはみんなで集まり会議室でミーティングをする。いつもと同じように営業目標や方針について課としての方向性について話し合う。最後になりいよいよ雅臣さんが話を切り出した。

「えぇっと…私事の報告になるのだが、この度結婚をしました。相手は杉原だ。報告が遅くなったが来年子供も生まれる。みんなには迷惑をかからと思うがよろしくお願いします。」

私も立ち上がり頭を下げた。