秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない

私が体調を崩し始め休んだときに雅臣さんは仕事が手につかずボーッとしていたりミスが連発していたという。
私が仕事に来たら今度はずっと私のことを見ているし、男性陣が話しかけようものなら目が怖かった。そしてなぜかその後の仕事量が半端なく増やされるという。

嘘。

私はみんなの話を聞いていてどんどん顔が赤くなるのがわかる。
大きな声でみんなの話を遮りたくなった。
恥ずかしい。

「でも課長はそれだけ杉原に本気だったんだろ。」

「もしかしたら妊娠かも、とは思ってましたよ。でも言えないんだろうねって話してたんです。やっと言ってくれて私たち嬉しいです。」

美香ちゃんと春子ちゃんが話しかけてくれる。妊娠かもって分かってたんだ…。

「ごめんね、なかなか言えなくて。皆さん、これからも働かせてください。よろしくお願いします。」

雅臣さんも一緒に頭を下げてくれる。

「課長、みんなの癒しを奪ったんですから覚悟してくださいよ。」