秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
隣同士に並び着席するとすぐに暗くなり予告が始まった。

「間に合って良かったですね。」
私は小さな声で話すと、耳元で課長が
「そうだな。」
と返してきた。

ドキン…

緊張して慌ててドリンクを飲んだ。

ゴホッ
吸い込みすぎて少しむせてしまう。

ハンカチが差し出され、
「大丈夫か?」
とまた耳元で課長の声が聞こえる。

「ごめんなさい、大丈夫です。」

私がバッグからハンカチを出そうとすると課長が私の口元をハンカチで拭いてくれた。

課長〜!
ナチュラルにこんなことしないでください。

顔が真っ赤になった自覚はある。
真っ暗で良かった〜。

「あ、ありがとうございます…」



< 24 / 182 >

この作品をシェア

pagetop