秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「おっしゃれー。さすが営業マン。使うお店が違うね。」

「いや、お客さん連れてこんなところ来ないから。」

「そうなの?ならモテる男の使う店って感じかな。」

「モテてないんだよ、これがさ。いい男なんだけどさ。」

「自分で言っちゃうからポイント低いのかなぁ。」
私はクスクス笑いながら答える。

シーフードをメインにした洞窟の中のようなおしゃれなお店。
ドリンクも色が綺麗なお酒が並び女の子ならみんな喜びそう。
もちろん私も喜んでしまう。

「ここのシーフード、なんでも美味しいんだよ。冬だとドリアが絶品。」

「知らなかった。こんないいお店があるなんてさ。何にしよっかなぁ。マリネは食べたい。あとは…ラタトゥイユもトマトが入ってて美味しそう。でもパスタも食べたいし〜。橋本くんは何にするか決めた?」

「そうだなぁ。マリネは外せないと思う。めちゃくちゃ美味しいから。なんならいくつか頼んでシェアするか。」

「そうだね。」

「じゃ、まずはつまみにアヒージョだな。あとはラタトゥイユもパスタも頼むか。パスタはトマト系じゃないのにしよう。」

「了解。」
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