秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
結局終わったのは22時過ぎ…2人で立ち食いそばをすすり駅で分かれた。

はぁー疲れた。
明日だけ頑張れば夏休みだわ。
お風呂でうとうとしてしまうがなんとか出て、布団の中に潜り込んだ。

翌朝、寝不足は否めないが昨日立ち食いそばに寄ったので時間短縮ができ睡眠時間が確保できた。

朝、橋本くんに会うとクスクスと笑っていた。

「お前、寝しなに蕎麦食ったからか顔が浮腫んでるけど。」

「仕方ないじゃん。でもあそこで食べなかったら食べずに寝てたかも。助かったなぁって橋本くんに感謝してたのに…あーあ、感謝して損したわ。」

「まぁ、そう言うなって。浮腫んでるなんて他の奴は思ってても言わないだろうしさ。」

「なら橋本くんも言わないで!」

「怒るなって。現実なんだからさ。また奢ってやるからさ。」

「立ち食いそば以外だからね!!!」

「はいはい。」

昨日ある程度まで終わらせたから今日の仕事はさほど大変なものはない。
無事に夏休みが迎えられそうだ。

終業のチャイムを聞き横を見ると美花ちゃんはもうデスクを片付けている。

美花ちゃんは今日の夜中の便で出発。目一杯遊んでくるんだそう。南国でバカンスだなんて羨ましいなぁ。

「真帆さん。上がって大丈夫ですか?」

「もちろん。私も終わったから帰るね。美花ちゃん、楽しんできてね!」

「ありがとうございます!お先に失礼します。」

「お疲れさま。春子ちゃんは?帰れる?」

「はい。もう帰れます。真帆さん、せっかくだからご飯に行きませんか?一緒に上がれるなんて滅多にないし。」

「いいね!ビール飲みに行こうよ。」

私たちはパソコンを落とし職場を後にしようとすると課長から声がかけられる。

「お疲れ様。2人で飲みに行くのか?」

「お疲れ様です。たまには2人で…ね。暑気払いだよね。」

「いいな。オレも行こうかな。」

「え?!課長もですか?」
春子ちゃんが思わず声に出してしまう。
私も課長の言葉にびっくりした。

「ダメか?」

「そんなことありません!」
春子ちゃんは挽回すべく大きな声で返す。

それを聞いた他の営業も、オレも、オレも、と人数が増え8人になってしまった。

「増えたな。じゃ、ビアバーにでも行くか。」

「駅の近くだとこの人数だと微妙だから駅の反対側にあるリンドとかどうかな?」

「いいな。行ってみるか。ダメなら居酒屋だな。」

まだパソコン落としてない人もいたりするのでひとまず店の確保に春子ちゃんと課長、橋本くんの4人で向かった。
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