秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「おい、大丈夫か??飲み過ぎじゃないのか?」

「大丈夫です。とっても楽しいです。」

「それは良かったな。杉原は明日からの夏休み、何をするんだ?」

「ノープランです。おひとり様なのでやることもないし…部屋の模様替えをするつもりです。って、課長寂しいこと言わせないでください。さっきまで楽しかったのにぃ。」

「悪い。」

「課長は明日からリア充ですか?海外とか飛んじゃうんですか?」

「まさか。毎日昼寝して過ごすよ。」

「おじいちゃんですかっ!」

「仕方ないだろ。予定がないんだから。」 

「じゃ、私が買い物に連れていってあげます。」

「ハハハ。じゃ、行くか。」

「いいですよーん。」

私たちはそのあともくだらない話をして過ごした。
酔ってなければ課長の隣でくだらない話なんてしない。
でも今は課のみんなしかおらず、また、周りの女子社員からの目線も気にならないこともあり気持ちが大きくなったのかもしれない。
それに…先週課長と出かけて話しやすかったから酔った勢いでまた自然と話しかけてしまったかのかもしれない。

22時を回る頃お開きとなった。
課長は財布から3万出して、残りをみんなで払うようにいう。
こういうところは男気があると思う。
最近年齢とか役職とか関係なくワリカンの時代。
奢ってもらって嫌な気持ちの人はいないだろう。
お店の外でみんなでお礼を言う。

「「「「ごちそうさまでした!」」」」

「あぁ。また夏休み明けにな。」

みんなでダラダラと駅へ向かう。
私は春子ちゃんと途中まで同じ方向。
佐藤くんも林くんも同じなのでなんとなく固まって歩いていた。

新宿で乗り換えると特急が停まっていた。
私以外はそれに乗った方が早く帰宅できる。
私は乗り換えも面倒くさいし、座って帰りたいからここでみんなと別れることにした。

「またね!」

「おつかれっす。」
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