秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「智也は真帆のこと好きだよねー。この前遊んだあと散々昌也にその話してたよ。昌也がこんなに好かれて羨ましがってたよ。」

「嬉しすぎる。どうしてこんなに可愛いんだろう。」

「智也の人生の全てを見てきたから?生まれたその瞬間から真帆は知ってるもんね。私も真帆には感謝しかないよ。さ、座ってよ。」

「うん。これお土産だよ。アイスだから冷やして〜。」

「あいしゅ?まーちゃん、ともくんね、
あいしゅしゅき。」

「後で食べようね。」

「はーい。」

千佳がアイスコーヒーを入れてくれ、飲みながらともくんと線路を作り遊んだ。
最近のお気に入りらしくまだはっきりとは聞き取れないが説明してるらしいその姿にキュンとする。
母である千佳には聞き取れるらしく、やっぱり毎日育ててるってすごいなぁ。
その上、もう1人増えるなんて凄い。
でも…すごく楽しみ。
今度は旦那さんがいるんだもんね。
立ち会えないのかぁ。
ともくんの時は絶対に私が立ち会わなきゃ、と思い予定日あたりからそわそわして過ごしていたなぁ。
連絡が来てすぐに会社を飛び出したのがついこの前かのように懐かしい。
周りのみんなには友達が陣痛だと言って早退したから不思議がっていたな。普通はお父さん達がすることよね。
でもあの日の感動は忘れられない。
だからこそともくんが愛おしくて仕方ないんだと思う。
2人目の子は最初から旦那さんに立ち会ってもらってあの体験をしてほしいと思う。
もちろん今もともくんを可愛がってるのはわかるけど生まれるその場に立ち会うとなんとも言えない感情が生まれる。生まれてきてくれた尊さに感謝する。
旦那さんは生死を扱うドクターだから私が言うのはおこがましいが、それでも生まれてくる瞬間は目に焼き付いて今でも涙が出てきてしまうから旦那さんもきっと感じてくれることだろう。
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