秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「えー?泊めてもらって、さらには映画にも行った?昨日もわざわざ家に送ってもらったの?それはその課長さんは真帆に気があるってことじゃない?」

「でも初めて2人でご飯食べたんだよ。しかも残業の帰りに。だからデートとかじゃなかったよ。で、飲みすぎてお世話になったって感じ。」

「そっか。でもその後に映画に行くのは…やっぱり気があるんじゃ。」

「話してて同じ作家が好きだってことがわかったので公開初日だから行こうってなっただけ。しかもおわび?お礼?として付き合って、と言われただけ。そのあともメガネを買いに行くのを付き合っただけだよ。」

「でもー…。課の女の子とそんなにプライベートを共にするもの?」

「さぁ。どうなのかな。でもやること全てスマートだったから慣れてる気もする。」

「でもー…。」

「千佳。みんながみんなうまくはいかないよ。私には無理なフラグ立ってるもん。」

「そんなこと言わないで。真帆はなんでも諦めすぎ。自分からもっと手を伸ばしたらいいのに。」

「無理…無理だよ。」

「でもお迎えに来てくれるでしょ?」

「うん…。」

「なら真帆の心に聞いてみたらいいよ。急ぐこともないし、そもそも思われてたとしても真帆の心が動かないなら始まらないんだし。」

「うん…。」

「さて、そうなれば遅くはなれないね!そろそろ智也を起こしておやつにしよう。夕飯は課長さんと食べたらいいよ。」
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