秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
翌日。
午前中に昨日頼まれた資料を作り課長に渡しチェックをお願いした。

お昼休憩から戻ると課長から資料がよくできていたのでこのままで大丈夫と言われた。次の仕事も振られ、受け取り進めると春子ちゃんが助けを求めてきた。
春子ちゃんのやっている笹本くんの顧客資料ができずに困っており進まなくなってしまったようだった。笹本くんのこの顧客は神経質な人で私が作る時もかなり気を使っていたものだった。春子ちゃんも知っていたが何事もやらずして諦めては成長はないので今回は任せることになった。
でもさすがにだいぶ手こずっており私が手伝うことになるが…春子ちゃん、全然進んでないじゃん。
締め切り明日だったよね?
ここまでになるまでに聞いて欲しかったなぁとつい思ってしまうが、ぐっと堪え春子ちゃんに教えながら午後目一杯の時間を使ってしまった。

定時になり、やっと春子ちゃんの仕事の目処がついた。
明日までにこれでなんとかなる。

でも自分の仕事は全然出来なかったよ…。
あーあ、今日も残業じゃん。

「真帆さん、ありがとうございました。私のことを手伝ったせいで仕事進んでませんよね?私に出来ることがあればやります!」

「ありがとね、春子ちゃん。でも私の仕事は急ぎなものはないから大丈夫よ。私も片付けしたら帰るから平気だよ。上がって、上がって!お疲れ様〜。」

「本当ですか??」

「大丈夫よー。」

「なら……、お先に失礼します。ありがとうございました。」

「はーい、お疲れさまでした。」

「真帆さん、本当大丈夫なんですかー?」
と美花ちゃんは疑り深く聞いてきた。

「大丈夫。ちょこっとやったら帰るから。だから美花ちゃんも帰っていいよ。」

「なら…お先に失礼します。」

「うん、お疲れ様。あんまり遊びすぎちゃダメよ!」

「はーい!」

今日は金曜日。
美花ちゃんは大抵金曜は合コン。元気だなぁ。私も誘われるが流石にもう年齢的にいけない。ましてや美花ちゃんと並んだら私おばちゃんだもん。

さて、お暇な私は今日も残業していこ。
週明けの仕事がキツくなりかねないもん。

気分転換にカフェオレを買い、またデスクに戻った。
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