秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
やはり都心を抜けるところで混んではいたが割とスムーズに進み木更津へは開店と同時くらいに着くことができた。
私の好きな雑貨屋さんをめぐり、食器やクッションカバー、シーツカバーなど見た目で模様替えしたことがわかるような大きなものを購入した。これも雅臣さんが車を出してくれたから出来ること。自分だったらこんなには持ち帰れない。
しかも荷物を持たせてくれない。
私はずっと雅臣さんと手を繋ぎ、もう片手にバッグを持っているだけ。
雅臣さんの片手はどんどん荷物が重たくなっていることだろう。
それなのに両手で持つことなく片手は必ず私と繋いでいる。
「買いすぎましたよね。重くてごめんなさい。」
「真帆。このくらい大したことないよ。もっと欲しいものがあれば買ったらいい。まだ車にのせられるよ。」
「えー…。」
私は躊躇った。
本当は服もちょっと見たいかなって。
でも私の買い物ばかりに付き合わせてしまって申し訳ない。
「真帆が気を使うから一度荷物を置いてこよう。そしたらまた身軽だから買えるよ。」
「買い物は考えます。でも荷物を置いてこれたら嬉しいです。」
「じゃ、行こうか。」
私の手を引き歩き出す雅臣さんに半歩遅れて着いていく。
車に戻ると後部座席に荷物を置きまたモールへ戻る。
「雅臣さんはお買い物ないんですか?」
「俺は後で時計を見に行きたいかな。あとは…いいのがあれば服かな。でも服は無頓着だから正直いつも同じのばかり着てるよ。」
「え?無頓着?今もオシャレでかっこいいのに?」
「あ、これ?あんまり言いたくないけど…昨日墓参りに行った時、弟に私服についてダメ出しされてさ。今日出かける話をしたら『そんな格好で行ったらダメだ』と言われたんだ。で、弟に連れられて買い物行ったんだよ。女の子と出かけるって言ったから驚いてたよ。スーツだと普段より数倍格好良く見えるんだから私服こそ気を配れって言われてさ。」
「弟さんと仲がいいんですね。」
「悪くはないかな。でもアイツは痛いところを突くんだ。スーツでない俺は数段落ちると言われてさ。一昨日もその前も私服見られてるから今さらだけど…でもそこで今さらと言ってないでキチンとしろって怒られたよ。」
「いつもの雅臣さんも素敵でしたよ。今日はまた雰囲気が違って素敵ですけど。だからか私への視線も痛いですけどね…。」
「まーほー。真帆は可愛い。ここで叫んでもいいけど。だからもっと自信持って。俺が付き合ってほしいってお願いするくらい可愛いんだから。」
「シーっ!雅臣さん、それ言わないでください。私は雅臣さんにお願いされるような女じゃないし、周りの人がそんなこと聞いたらどう思われるか。」
「真帆は可愛い!これは間違いない。」
真面目な顔で私を見つめ、手をぎゅっと握り締められる。
私は胸をぎゅっと掴まれ苦しい。
どうしたらいいの?
私が困り顔でいるのを見て雅臣さんはまた手を引き歩き始めた。
「真帆は今のままでいいんだよ。ありのままの真帆を知ってるんだから。でも真帆の中に俺はいなかっただろ。だから意識してくれるだけでいいんだ。真帆の頭の中に俺を入れてよ。」
「はい…。」
「さ、お昼食べようか。そこの牛タン屋に入ってもいい?とろろご飯も大好きなんだ。」
「私も好きです!入りましょう。」
私の好きな雑貨屋さんをめぐり、食器やクッションカバー、シーツカバーなど見た目で模様替えしたことがわかるような大きなものを購入した。これも雅臣さんが車を出してくれたから出来ること。自分だったらこんなには持ち帰れない。
しかも荷物を持たせてくれない。
私はずっと雅臣さんと手を繋ぎ、もう片手にバッグを持っているだけ。
雅臣さんの片手はどんどん荷物が重たくなっていることだろう。
それなのに両手で持つことなく片手は必ず私と繋いでいる。
「買いすぎましたよね。重くてごめんなさい。」
「真帆。このくらい大したことないよ。もっと欲しいものがあれば買ったらいい。まだ車にのせられるよ。」
「えー…。」
私は躊躇った。
本当は服もちょっと見たいかなって。
でも私の買い物ばかりに付き合わせてしまって申し訳ない。
「真帆が気を使うから一度荷物を置いてこよう。そしたらまた身軽だから買えるよ。」
「買い物は考えます。でも荷物を置いてこれたら嬉しいです。」
「じゃ、行こうか。」
私の手を引き歩き出す雅臣さんに半歩遅れて着いていく。
車に戻ると後部座席に荷物を置きまたモールへ戻る。
「雅臣さんはお買い物ないんですか?」
「俺は後で時計を見に行きたいかな。あとは…いいのがあれば服かな。でも服は無頓着だから正直いつも同じのばかり着てるよ。」
「え?無頓着?今もオシャレでかっこいいのに?」
「あ、これ?あんまり言いたくないけど…昨日墓参りに行った時、弟に私服についてダメ出しされてさ。今日出かける話をしたら『そんな格好で行ったらダメだ』と言われたんだ。で、弟に連れられて買い物行ったんだよ。女の子と出かけるって言ったから驚いてたよ。スーツだと普段より数倍格好良く見えるんだから私服こそ気を配れって言われてさ。」
「弟さんと仲がいいんですね。」
「悪くはないかな。でもアイツは痛いところを突くんだ。スーツでない俺は数段落ちると言われてさ。一昨日もその前も私服見られてるから今さらだけど…でもそこで今さらと言ってないでキチンとしろって怒られたよ。」
「いつもの雅臣さんも素敵でしたよ。今日はまた雰囲気が違って素敵ですけど。だからか私への視線も痛いですけどね…。」
「まーほー。真帆は可愛い。ここで叫んでもいいけど。だからもっと自信持って。俺が付き合ってほしいってお願いするくらい可愛いんだから。」
「シーっ!雅臣さん、それ言わないでください。私は雅臣さんにお願いされるような女じゃないし、周りの人がそんなこと聞いたらどう思われるか。」
「真帆は可愛い!これは間違いない。」
真面目な顔で私を見つめ、手をぎゅっと握り締められる。
私は胸をぎゅっと掴まれ苦しい。
どうしたらいいの?
私が困り顔でいるのを見て雅臣さんはまた手を引き歩き始めた。
「真帆は今のままでいいんだよ。ありのままの真帆を知ってるんだから。でも真帆の中に俺はいなかっただろ。だから意識してくれるだけでいいんだ。真帆の頭の中に俺を入れてよ。」
「はい…。」
「さ、お昼食べようか。そこの牛タン屋に入ってもいい?とろろご飯も大好きなんだ。」
「私も好きです!入りましょう。」