秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「うん。上手いな。甘さが控えめだから食べれちゃうな。」

「…そ、そうですね。」
私は雅臣さんの言葉にドキドキしてしまった。
誰にでもこんなことするのかな?

「真帆もチーズケーキ食べてみないか?濃厚で美味しいよ。なんだかドライフルーツが入っているみたいで珍しいんだ。」

「ん?ドライフルーツですか?チーズケーキに?」

「あぁ…。ほら。」
スプーンに乗せ私の目の前に差し出してきた。
スプーンを受け取ろうとするが渡してもらえない。

ん?
も、もしかして…
あーん、しろと??

目の前でずっとスプーンを持っている雅臣さんを見るととてもいい笑顔で私を見つめている。

分かっててやってるのよね…。
私には無理、無理だよぉ。

「ほら。」
手渡ししてくれたらいいのに…もう、意地悪。
こうなったら覚悟を決め、パクっとスプーンを口に入れた。

「美味しーい!ドライフルーツからの自然の甘さなんですね。チーズケーキ自体は甘さが控えめですね。ドライフルーツがチーズケーキの水分を吸ってやや柔らかくなってきてるところにナッツの食感もあって何とも言えないです。美味しいです!」

「あぁ。これならカロリー控えめでいいな。」

「あ、カロリーのことは言わないでください。私は桃のパフェなんですから!」

「真帆はどれだけ食べても大丈夫だろ。」

「だからそう言う話はダメです!禁句です。」

私と雅臣さんの会話はジェットコースターのよう。
ドキドキさせられたり楽しくなったり、ハラハラさせられたり、嬉しくなったり、ワクワクしたり…いろんな感情がコロコロと変わってくる。

もっと一緒にいたい…。

そう思った。
けど、
「さて、帰りは道も混んでるだろうしそろそろ出ようか。」
と声をかけられカフェを出た。

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