秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「真帆!」

俺は近寄り真帆を抱きしめた。

「どうしたんだ?何でこんなところに?」

真帆の顔は涙でぐしょぐしょになっていた。
泣きじゃくる真帆を抱きしめるが真帆はいつもみたいに俺に抱きついてきてくれない。

なにがあった?

「真帆。どうした?」

俺は優しく聞くが、真帆は泣きじゃくり声にならない。

「真帆。部屋に戻ろうか?」

首を振る真帆に俺は困った。
どうしたんだろう。

「真帆。何かあった?」

「ま、雅臣さんは悪くない…」

それだけ言うとまた嗚咽を漏らす。

「俺は悪くない?でも真帆を泣かせてるのは俺なんだよね?」

真帆はまた首を振る。

「わ、私のせい…。」

「俺は真帆がどうして泣いてるのか知りたいよ。」

「……」

「真帆。俺は真帆を守りたいんだよ。真帆の不安もイヤなことも何もかも俺が真帆を守りたいんだ。だから何でも言って。俺は決して真帆を嫌いにならない。」

「……」

「俺は真帆が大好きだから。真帆が望むことはしてあげたい。真帆のためなら頑張りたい。真帆の力になりたい。」

「うわぁーん…。雅臣さん…。」

さっきまで力なく嗚咽を漏らしていた真帆が大きな声で泣き、俺にしがみついてきた。

俺は真帆の背中を優しくさする。
真帆が落ち着くまで「真帆が好きだよ。」と何度も言い聞かせた。

真帆はだいぶ落ち着いてきたところでポツポツと話し始めてくれた。
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