秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「オヤジ、カウンターいい?」

「おー、久しぶりじゃないか。座れ、座れ。」

「今日は1人可愛いのを連れてきてやったよ。」

「おっ!初めてじゃないか。うちは若い子来ないからおじさん嬉しいよ。さ、座りな。サービスしちゃうよ。」

「わぁ。若いって言ってもらえて嬉しいです!久しぶりに言われました。」
私は話しかけながらカウンターに座らせてもらった。
焼き鳥のいい香りが店内に充満している。

「ビールでいい?」

「はい!」

「じゃ、生2つに焼き鳥適当に出してよ。」

「はいよー。」

おじさんはビールと浅漬けを持ってきてくれた。
早速課長とグラスを合わせ、お互いにお疲れ様ですと声をかける。

「あー…しみわたる…。」

「あぁ、本当に。上手い。」

「課長はすでに飲んでたじゃないですか。」

「いや、でも冷えたビールは最高。」

2人でビールを飲み始めるとどんどん焼き鳥やつまみが運ばれてきた。
途中茶碗蒸しがやってきてテンションが上がる。

「おじさん、全部美味しいです〜!お酒も進んじゃう。ビールのおかわりください!」

「嬉しいこと言ってくれるねぇ。ビールちょっと待ってて。」

「オヤジ、俺もビールおかわり。」

「はいよ。」
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