秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「私、呆れられた?」
「どうして?」
「一緒にお風呂に入らなかったから。」
「はぁ?そんなことあるわけないだろ。」
「でも雅臣さんの彼女はみんな入ってた?みんな可愛かった?優しかった?私だけ堅物だよね。私は前の彼にもそう言われた。私は頭が堅いって。融通がきかないって。遊びごころがないって。世帯じみてるって。雅臣さんもそう思った?」
あ…
俺が何の気なしに言った言葉は真帆にとってとても傷付く言葉だったのか。
「真帆。俺はそんなこと思ってないよ。堅実なのはいいことだし、それをつまらないとも思ってない。」
「でも他の人と違うでしょ?」
「それはみんな違くて当たり前だよ。でも言うほど俺も付き合っていた人は多くない。だから分からないよ。でも今までとは比較にならないほど真帆のことが好きだよ。真帆しか見えない。真帆が望むなら何でもしてあげたくなるくらいに真帆は特別だよ。」
「特別?」
「あぁ。今まで付き合ってきたのは何だったんだろうって想うくらいに真帆とは何もかも違う。真帆といるだけで心が安らぐんだ。でも俺の一言で傷つけてごめんな。」
「前に言われてから臆病になってたの。だからもう誰とも付き合うとか考えたくなかった。1人でよかったの。お一人様で満足だったの。でも雅臣さんが私を好きだと言ってくれた。離れない、裏切らないって言ってくれてすごく嬉しかった。」
「今でも誓うよ。俺は離れないよ。真帆が好きだから守りたいよ。」
「でも…私は雅臣さんにそこまで想ってもらえる人間じゃないの。情けないけど自信がないの。今日雅臣さんといた可愛いスタッフにでさえ負けちゃうと思うくらい。どの人も雅臣さんを見てるの。で、隣にいる私を見るの。不釣り合いだって思われてるのが苦しいの。」
「俺だっていつも嫉妬してるよ。橋本にも林にも畑中にも佐藤にも…みんな真帆に絡んできて嫉妬してる。さっきのトンボ玉も何であの男が手取り足取り教えるのかイライラしてた。真帆は気が付いていないだけでみんなから好意を寄せられてるよ。」
「そんなことない。課のみんなは同僚なだけです。さっきの人も不器用だから優しく教えてくれただけだし。」
「そう思ってるのは真帆だけ。俺からしたらみんな真帆に気があると思うよ。だから俺は常に嫉妬してる。みっともないから言わないだけでいつも真帆の周りに目を光らせてるよ。だから真帆だけが釣り合わないと感じてるんじゃないんだ。きっとみんなからしたら真帆は俺にはもったいないと思われるんじゃないかと思ってる。それにみんなに取られてもおかしくないと思ってる。だから正直焦って真帆に告白した。」
「そんなこと…。」
「そんなことなくないぞ。真帆をいつも見ていた。だから残業のあと何度も誘ったのに誘いに応じてもらえずガッカリしていた。みんなとは飲みに行くのにどうして俺とは行ってくれないんだろうって。」
「雅臣さんは住む世界の違う人だから。それにもし誰かに見られたらと思うと行けなかった。」
「でもあの日真帆は行ってくれた。たまたまとはいえチャンスだと思った。それに疲れていたせいか寝ちゃっただろ。何かしようなんて気はなかったが神様はまたチャンスをくれたんだと思った。上司と部下との関係を終わらせるターニングポイントだと思った。」
「…」
「だから俺はチャンスを逃すことなく真帆を振り向かせたいと思った。」
「雅臣さん…。」
「こんなこと恥ずかしいけど俺はいつも真帆の周りに嫉妬してる。真帆は可愛いから心配でならないんだ。俺は真帆の言う可愛いスタッフがどの子かさえ覚えてない。でも真帆を教えていた男の顔は覚えてる。」
「え?」
「そのくらい真帆だけしか見てないし、真帆の周りに目を光らせてるんだ。
「雅臣さん怖い。」
「おい!今度は怖いって…酷い。恥ずかしいのを承知で言ったのに。」
「ふふ。嬉しい。一緒にいてすごく楽しいの。幸せなの。だから雅臣さんと釣り合わないことを卑屈に思ってた。だから外に出たくなかった。見比べられたくなかった。でもここで胸の中の気持ちを言えてよかった。雅臣さんの気持ちを聞けて嬉しかった。ごめんなさい。勝手に部屋を出てきて。」
「本当だよ。いなくなるなら書き置きしてくれよ。探し回ったよ。いなくなるなら場所を教えておいてくれ。でもいなくなる前に声をかけてくれたら助かるよ。抱きしめて全力で止めるから。」
私はまた思いきり雅臣さんに抱きついた。
雅臣さんも私を抱きとめてくれた。
「どうして?」
「一緒にお風呂に入らなかったから。」
「はぁ?そんなことあるわけないだろ。」
「でも雅臣さんの彼女はみんな入ってた?みんな可愛かった?優しかった?私だけ堅物だよね。私は前の彼にもそう言われた。私は頭が堅いって。融通がきかないって。遊びごころがないって。世帯じみてるって。雅臣さんもそう思った?」
あ…
俺が何の気なしに言った言葉は真帆にとってとても傷付く言葉だったのか。
「真帆。俺はそんなこと思ってないよ。堅実なのはいいことだし、それをつまらないとも思ってない。」
「でも他の人と違うでしょ?」
「それはみんな違くて当たり前だよ。でも言うほど俺も付き合っていた人は多くない。だから分からないよ。でも今までとは比較にならないほど真帆のことが好きだよ。真帆しか見えない。真帆が望むなら何でもしてあげたくなるくらいに真帆は特別だよ。」
「特別?」
「あぁ。今まで付き合ってきたのは何だったんだろうって想うくらいに真帆とは何もかも違う。真帆といるだけで心が安らぐんだ。でも俺の一言で傷つけてごめんな。」
「前に言われてから臆病になってたの。だからもう誰とも付き合うとか考えたくなかった。1人でよかったの。お一人様で満足だったの。でも雅臣さんが私を好きだと言ってくれた。離れない、裏切らないって言ってくれてすごく嬉しかった。」
「今でも誓うよ。俺は離れないよ。真帆が好きだから守りたいよ。」
「でも…私は雅臣さんにそこまで想ってもらえる人間じゃないの。情けないけど自信がないの。今日雅臣さんといた可愛いスタッフにでさえ負けちゃうと思うくらい。どの人も雅臣さんを見てるの。で、隣にいる私を見るの。不釣り合いだって思われてるのが苦しいの。」
「俺だっていつも嫉妬してるよ。橋本にも林にも畑中にも佐藤にも…みんな真帆に絡んできて嫉妬してる。さっきのトンボ玉も何であの男が手取り足取り教えるのかイライラしてた。真帆は気が付いていないだけでみんなから好意を寄せられてるよ。」
「そんなことない。課のみんなは同僚なだけです。さっきの人も不器用だから優しく教えてくれただけだし。」
「そう思ってるのは真帆だけ。俺からしたらみんな真帆に気があると思うよ。だから俺は常に嫉妬してる。みっともないから言わないだけでいつも真帆の周りに目を光らせてるよ。だから真帆だけが釣り合わないと感じてるんじゃないんだ。きっとみんなからしたら真帆は俺にはもったいないと思われるんじゃないかと思ってる。それにみんなに取られてもおかしくないと思ってる。だから正直焦って真帆に告白した。」
「そんなこと…。」
「そんなことなくないぞ。真帆をいつも見ていた。だから残業のあと何度も誘ったのに誘いに応じてもらえずガッカリしていた。みんなとは飲みに行くのにどうして俺とは行ってくれないんだろうって。」
「雅臣さんは住む世界の違う人だから。それにもし誰かに見られたらと思うと行けなかった。」
「でもあの日真帆は行ってくれた。たまたまとはいえチャンスだと思った。それに疲れていたせいか寝ちゃっただろ。何かしようなんて気はなかったが神様はまたチャンスをくれたんだと思った。上司と部下との関係を終わらせるターニングポイントだと思った。」
「…」
「だから俺はチャンスを逃すことなく真帆を振り向かせたいと思った。」
「雅臣さん…。」
「こんなこと恥ずかしいけど俺はいつも真帆の周りに嫉妬してる。真帆は可愛いから心配でならないんだ。俺は真帆の言う可愛いスタッフがどの子かさえ覚えてない。でも真帆を教えていた男の顔は覚えてる。」
「え?」
「そのくらい真帆だけしか見てないし、真帆の周りに目を光らせてるんだ。
「雅臣さん怖い。」
「おい!今度は怖いって…酷い。恥ずかしいのを承知で言ったのに。」
「ふふ。嬉しい。一緒にいてすごく楽しいの。幸せなの。だから雅臣さんと釣り合わないことを卑屈に思ってた。だから外に出たくなかった。見比べられたくなかった。でもここで胸の中の気持ちを言えてよかった。雅臣さんの気持ちを聞けて嬉しかった。ごめんなさい。勝手に部屋を出てきて。」
「本当だよ。いなくなるなら書き置きしてくれよ。探し回ったよ。いなくなるなら場所を教えておいてくれ。でもいなくなる前に声をかけてくれたら助かるよ。抱きしめて全力で止めるから。」
私はまた思いきり雅臣さんに抱きついた。
雅臣さんも私を抱きとめてくれた。