社長じゃなくて、君の夫になってもいいですか? 〜社長、嫌いになってもいいですか?シリーズ 第2章〜
そんな出来事があった直後からの、給料振り込み忘れ。
雨音の顔に、僕への不信感が募っているのが分かった。

気持ちを自覚した直後に、彼女に去られたらどうしようと、焦っていた。
でも、これは結局自分が巻いた種。

あのメンバーを採用すると決めた時、彼女は
「彼は仕事が雑なのでやめた方がいいと思います」
と言って反対した。
その時は、彼女に
「採用はチャレンジをする必要もある」
ということを説き伏せたが、今になってこの体たらく。
愛想を尽かされても仕方がない。
僕は彼女の言葉を覚悟して待った。

だから
「私が、これからやりましょうか?」
という申し出が彼女から出てきた時は、大人気もなく泣きそうになった。
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