社長じゃなくて、君の夫になってもいいですか？ 〜社長、嫌いになってもいいですか？シリーズ 第２章〜

あっという間に、彼女の最終出社日になってしまった。
このまま何も声をかけずにいれば、縁が切れてしまう。
いや、切らなくてはいけないのかもしれない。
でももう少し……何か会話をしたい。
最後の思い出にしてもいいから。

そんな思いで、お昼頃に急にではあるが、彼女の卒業飲み会を開くことを決め、全員に伝達した。

雨音はどう思ったかは知らないが、他のメンバーはいつも急に飲み会に行くような人間ばかりだったので、特に違和感を感じなかったようだ。

雨音については、断られることも想定はしていたので、「でも最後だし……」のセリフを用意して、少しでもとどまってもらえるように考えていた。
だから、あっさりOKを貰えた時は飛び上がるほど嬉しかった。