社長じゃなくて、君の夫になってもいいですか? 〜社長、嫌いになってもいいですか?シリーズ 第2章〜
その後、彼女から二次会の提案をされた。
今の時間は、23時を過ぎていた。
あと少しで終電になる。

「もう帰った方が良いよ。終電でしょ」

これは、自分を戒めるためにも言った。
自分に言い聞かせるために。
でも今日の彼女は何故か引かない。
「社長と話がしたいんですお願いです」

何故、彼女はこんなにも今、僕と話したがっているのだろう。
ほんの微かに、忘れようとした気持ちが沸き上がりそうになる。

このままここにいれば、取り返しがつかないことになる。
気持ちが、抑えきれなくなる。
引き返すなら今だ。
ここから、彼女を帰さないと。

僕を潤んだ目で見つめる彼女を、この密室から遠ざけなければ、僕は彼女を汚してしまうかもしれない。
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