愛は愛より愛し
蕎麦を愛す
見るからに暑そうな空を見て、私はお昼をどうしようか迷っていた。
いつもの定食屋に行くには暑すぎる。私の雑把な性格で日傘なんて代物を持ち歩いているわけもなく、燦々とした道を五分も歩けば溶けてしまいそうだ。
もうそんな想像をしただけで暑い。嫌だ、暑いのは。
それならば弊社の前のビルに入っているコンビニへ行くしかない。幸いにも近くに横断歩道があるので、徒歩一分もかからない。
頭の中では、そう分かっていても。
暑そう……と思って、身体が動かないまま。約十分はデスクに留まっている。
その内に、営業部の同期が顔を見せた。