愛は愛より愛し
意味も分からず泣く姉に、おろおろとする妹がこちらに駆け寄り、背中を擦ってくれた。
「大丈夫だよ、きっと会えるよ」
「……だと、いいよ、ね」
「だってその人、日本語喋れたんでしょう? 会えたら『久しぶり、あの時ありがとう』って話しかければ良いんだから」
嗚咽を漏らす私に、霙が明るく声をかけてくれる。
「きっと絶対会えるよ。次はお姉ちゃんが助ける番でしょう」
たまに、生まれてくる順番が逆だったんじゃないか、と思うときがある。
しっかりしていて、頭が良くて優しい霙。
こんな子を姉に持った恭子が少し羨ましいし、妹に持てたのが誇りだ。