愛は愛より愛し
あの爽やかハーフ顔が、暑い中道を歩いている想像ができない。汗とかかくのか。
恭子を家に届けてくれてから、姿は見ない。
いや、当たり前のことなんだけど。
もう会わないことを祈っている。関わると何か面倒なことが起きそうだという予感がする。
駅前の喫煙所を見た。やっぱり吸って帰ろうと決める。
煙草を出しながら入ると、すごく空いていた。こんな所で煙草吸ってる暇があるなら普通帰るよな、という時間だし。
火を点けて煙を吐く。あーお腹空いた、疲れた。
ぼんやりと見上げるけれど、星も見えない都会の空。