愛は愛より愛し
苦労を愛す

仕事が少し落ち着いた頃、いつもの定食屋へと顔を出した。

唐揚げ定食を食べて、いつもの喫煙所へと行こうとしたけれど止めておいた。駅近くの屋根なしのところへ行くか、会社の近くの混んでるところに行くか……。

「あ、お疲れ様」

声をかけられ、振り向く。想像していた人物でないことに安堵と落胆を覚え、複雑な気持ち。

「お疲れ様です。帰りですか?」
「そう。閑野、煙草?」
「はい、コンビニの裏にでも」

営業の先輩、田崎。弊社の喫煙所が工事中であることを嘆く仲間。

「俺も行こ」

鞄を持ったまま私の横を歩き出す。

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