愛は愛より愛し

次は私が納得いかない思いを抱いて、スーパーへと歩き出す。

変な人、と言う言葉で過ぎった一人の人物。

「そういえば最近セナさんは元気?」
「……知りません」
「会ってないの?」

何故不満そうな顔をされないといけないのか。

恭子は私の視界の端で唇を尖らせている。

「あの人なら白馬似合うと思うんだけどなあ」
「実際白馬に乗ってたわけじゃないから」
「でも悪い人じゃないと思うよ?」
「悪くなくても変な人なんだって……」

そんなに世名が良いなら恭子が付き合えば良い、と喉元まで出たが、口にはしなかった。


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