愛は愛より愛し
そうしている間に世名が近付き、手を取られて紙袋の紐を手首にかけられた。
「いや、だったら世名が何か貰う側なんじゃ」
「これを貰ってくれるのが僕にとってはプレゼント」
「ちょっと意味が分かんない……これ何?」
小さな紙袋だけれど、黒光りしていて金色のロゴが入っている。読めないけど。
世名がにこにこしながら答えることなく、隣に並んで歩いた。
爆弾とかじゃないよね。
「取り扱い注意だけど」
「嘘でしょ」
「うん?」
「いや……世名は欲しいものないの?」
駅前の花屋が目に入る。
似合うけれど、必要かどうかは当事者次第だ。