愛は愛より愛し

う、気付かれている。

「それよりも、メニュー決まりました? 私はきつねにします」
「じゃあ僕も」
「すいませーん!」

注文を終えて、冷たいお茶に口をつける。美味しい。

「もしかして僕が年上だって知ったから、とか」

大正解だ。

口を閉じていても言及されそうだったので、最初見たとき、学生だと思ったことまで言った。
そして案の定、ケラケラ笑われる。

「流石にこの歳になって学生とは言われないけど、新卒に同期だと思われることはある」
「それ、どう返したいんですか?」
「同じノリで返した」
「悪ノリが過ぎる……」

可哀想だ。

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