イケメン御曹司の甘い魔法

藤堂さんのメッセージは、早く帰れそうなので家で待っているという内容だ。


(---どうしよう。本当に藤堂さんとこれから会うんだ---)


お昼休みに御礼のプレゼントを選んだまでは、ワクワクと嬉しかったが、実際に会うと思うと、不安がいっぱいになって緊張してくる。

会社を出る少し前に、真理子が私にメイクをしてくれた。

いつもより少しは地味な顔も、見られる状態にしてもらったようだが、真理子の様に美人でもない私は、全く自分に自信が持てない。

藤堂さんも私に会うのは、仕事の延長線上くらいと思っているはずだ。
期待すると自分が惨めになるので、気持ちを封印しなくてはと自分に言い聞かせた。



藤堂さんのマンションに到着すると、フロントの女性が声を掛けてくれる。

「木下様でございますか?藤堂様がロビーでお待ちです。」

フロントの女性は、ロビーの奥にある豪華な応接セットが置いてある場所に案内した。
高級感のある茶色の革張りのソファーに座り、一人の男性が本を読んでいた。


藤堂さんだ。


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