イケメン御曹司の甘い魔法
彼女になる
今日は金曜日、なぜか藤堂さんは金曜日も家に来るよう言ってくれたが、本当に行って良いのか考えてしまう。
冗談だったと言われたら恥ずかしい。
そんなことを考えていると、藤堂さんからL●NEが届いた。
なぜかドクリと心臓が鳴る。
『コーヒーカップ用意してあるよ。会社は何時ころ出られそう?』
冗談では無かったようだ。
真理子にいろいろ言われた所為か、L●NEを見るだけで、顔が熱くなる。
恋人とか付き合うとか、真理子がある筈の無い事ばかり言うからだ。
『19時までには会社出られそうです。』
『了解。会社出たとこで待ってる。』
結局、帰りに待ち合わせをすることにした。
オフィスを時間差で出た私達は、会社を出てすぐのところで待ち合わせをする。
藤堂さんと秘密の行動をしているようで嬉しくなる。
私が藤堂さんと待ち合わせなんて---信じられない-----。
今日はどこかで呑んでから、藤堂さんの家に行く予定みたいだ。
予定はしっかり計画済みのようだ。
さすが仕事のできる人は、プライベートも用意周到だ。
藤堂さんは、個室のある小料理屋の予約をしてくれていた。
金曜日はどのお店も混んでいるので、個室のあるお店を選んでくれたのだ。
「お疲れさまー。乾杯!」
私達は、グラスをコツンと当てて乾杯をする。
ここは創作料理が有名で、次々と斬新で美味しそうな和食が出された。
どれも美味しく、口元が緩む。
「木下さん、美味しそうに食べるね。可愛い。」
藤堂さんの言葉は、本当に心臓に悪い。
顔が急に熱くなる。
「やめてください。私を揶揄ってますか?」
藤堂さんは、ジッと真面目な顔になり私を見た。
何か悪いことを言ってしまったのだろうか。
「木下さん、俺と付き合ってくれませんか?」
「---付き合うとは?」
付き合うという言葉が、どういう意味で言っているのか分からない。
「俺の恋人になって欲しい」
「------------はっ?」
なぜこんなに素敵な藤堂さんが、私なんかを恋人にと言ってくれるのだろう。