イケメン御曹司の甘い魔法
名前を呼ぶだけで、顔が熱くなる。
そんな私を見て、藤堂さんはクスッと笑う。
「芽衣、俺の彼女は、すぐに真っ赤になって可愛いな。」
藤堂さんの甘さに、気を失いそうだ。
私達は小料理屋を出て、藤堂さんの家に向っていた。
藤堂さんは、当たり前のように手を繋ぐが、私は緊張で体が固まりそうだ。
これは、世間でいう恋人繋ぎ。
手に汗が出ていないか、心配になる。
いつか恋人が出来たら、恋人繋ぎで手を繋ぐのが夢でもあった。
夢が本当に叶ってしまうなんて…
藤堂さんは、マンションの入り口に着くと、可愛いリボンのついた小さな袋を私に渡した。
急に渡された私は、ポカンと不思議な顔をしてしまう。
「芽衣、芽衣が今日彼女になってくれたら渡そうと思って、用意したんだ。開けてみて!」
小さな袋を開けてみると、そこにはカードのようなものが入っていた。
これは藤堂さんの家のカードキーだ。
私は驚いて、背の高い藤堂さんの顔を見上げた。
「芽衣、俺が居なくても、自由に部屋に入って良いからね。」
藤堂さんは、優しく微笑んで私の額にチュッとキスをした。
突然のことで、私は放心状態になっていたようだ。
「芽衣、大丈夫?」
「あ、あの---私、男の人とお付き合いしたことが無くて---初めてのことばかりで---ごめんなさい。」
藤堂さんは、私をぎゅっと抱きしめた。
抱き締められることが、こんなに温かくて、気持ち良いと初めて知った。
だけど心臓は爆発寸前だ。
「なんで芽衣が謝るの?俺はすごく嬉しいよ。芽衣の初めてを沢山もらえるなんて幸せだよ。」
藤堂さんは、さらに力を入れてギューっと抱きしめた。
「優斗さん!!く---く---苦しいです---」