イケメン御曹司の甘い魔法

「芽衣、このコーヒーカップどうかな?」

リビングに着くと、藤堂さんは一番にコーヒーカップを持ってきた。
私のために、藤堂さんが用意してくれたカップだ

そのカップは、私が藤堂さんにプレゼントした信楽焼にそっくりな色違いだ。
同じ縦ストライプだが、私のカップは薄い茶と濃い茶色のストライプだ。
お揃いのようで嬉しい。

「優斗さん、ペアカップみたいですね。嬉しいです。」
「気に入ってくれたかな?芽衣が喜んでくれて良かった。」


お揃いのカップに珈琲を注いで、テーブルに並べて置く。
それだけのことなのに、何故か嬉しい。

「芽衣、芽衣の物が俺の部屋に増えていくと嬉しいな…」

さらに優斗さんは、これから私が来た時に使うものを、明日買いに行こうと言ってくれる。
優斗さんの部屋に私がいることも不思議な感じなのに、自分の私物がここにあるなんて、信じられない気分だ。


「芽衣、今日は帰るなんて言わないよね?」

「…あ…あの…ええと…」

「じゃあ決まりだね!」

どう決まったのだろう。
まだ返事をしていないのに、優斗さんは勝手に決めたようだ。


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