イケメン御曹司の甘い魔法
「じゃあ、手を繋いで今日は寝ようね。おやすみ、芽衣…」
「はい…優斗さん、おやすみなさい。」
優斗さんは、微笑みながら手を出してくれる。
私はその手を掴むように、手を繋いだ。
緊張して、少し冷たい指先が優斗さんの体温で温かくなってくる。
ドキドキするけれど、優しい手に心もホカホカする。
「芽衣、おはよう…」
優斗さんの声に驚き、飛び起きた。
「おはようございます。優斗さん。ごめんなさい…」
昨夜は遅くまで寝付くことが出来なかったため、寝過ごしてしまったようだ。
朝は先に起きて朝食を作りたかったので、悔しい。
寝過ごした自分が腹立たしかった。
「芽衣、眠れたようだね、良かった。気持ちよさそうに寝ていたから、起こすのを迷ったのだけど、今日買い物に行きたかったから、起こしてゴメンね。」
慌ててベッドから起き上がり部屋を出ると、コーヒーやパンの焼ける良い匂いがして来た。
優斗さんが朝食も作ってくれたようだ。
「芽衣、簡単な朝食だけど、作ってみたから一緒に食べよう。」
「朝食まで作ってくれたのですね…ありがとうございます。」