イケメン御曹司の甘い魔法
変化

予定通り、買い物に行くため優斗さんの車に乗っている。
行き先は、優斗さんの知り合いのお店らしい。

「いらっしゃいませ。あらぁ、優斗が女性を連れて来るなんて珍しいわね…」

とても背の高い美しい女性が、挨拶をしながら出て来た。
「あぁ、圭太、久しぶり…今日は彼女の買い物に来たんだ、会社に行けるオフィス用の服をいくつかと、普段着もいくつか選んで欲しい。」

優斗さんは、その女性に“圭太”と言っている。
珍しい苗字なのだろうか?

「芽衣、こいつは圭太、美しい女性に見えるが、男性で同級生なんだ。この店のデザイナーもしてるからセンスは保証する。」

私は圭太さんに向ってお辞儀をした。

「木下芽衣です。よろしくお願いいたします。」

「芽衣ちゃんね、よろしく。藤堂が女性を紹介するのは初めてよ。彼っていい男でしょ。」

圭太さんは、早速、オフィス用の服装を数着と、普段着を数着持ってきてくれた。
オフィス用は、落ち着いた大人のスーツというイメージだ。普段着もカジュアル過ぎないワンピースや、ニットのセットアップなどを選んでくれた。

そもそも雑貨や日用品を買うと思っていたのに、洋服を選ぶことになり驚いた。

「…どれも素敵で迷います…」

圭太さんが選んだ服は、どれもセンスがよく選ぶのに迷ってしまう。
服選びに迷っていると、優斗さんが圭太さんに何か言っている。

すると、圭太さんが笑顔で私の肩を叩いた。
「芽衣ちゃん、迷わなくても大丈夫よ。藤堂が全部買ってくれたから。」
「--------っえ?そんな困ります。ダメです。」

優斗さんは、そんな私の言葉を聞かずに、店の外に出てしまった。
慌てて優斗さんを追いかけた。

「芽衣、服は後で家に届けさせるから、大丈夫だよ。」

「だ----だ----大丈夫では---ありません。あんなに買って貰うわけにはいきません!!」

私の言葉は聞こえないようだ。


その後も優斗さんは、私に靴やバック等必要なものを用意してくれた。
どれもお洒落で高級な物ばかりだ。
こんなに沢山の買い物をしたのは、生まれて初めてだ。

「優斗さん、こんなにして頂いて、何と御礼を言っていいか分からない程です。」

優斗さんは微笑んで、私の頬に優しく触れた。

「今までの控え目の芽衣も大好きだけど、俺はもっと芽衣を綺麗にしてあげたいんだ。」

私は優斗さんの言葉に、顔が熱くなる。
でも、いくら彼女になったとはいえ、こんなにもして貰って良いのだろうか。
もしかしたら、優斗さんは地味な私が嫌で、変えようとしているのかも。





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