イケメン御曹司の甘い魔法


海の見える広い庭、ログハウス風の大きな家
海の方から吹いてくる風がとても心地よい。
庭にある大きな銀杏の木が風でサワサワと音をたて、木漏れ日が心地良い。
ウッドデッキには大きめのハンモックがあり、お昼寝したら気持ちよさそうだ。

ここは優斗さんのご実家の別荘。

今日はここでガーデンバーベキューが行われる。
既に、プロの料理人がバーベキューの用意をしてくれている。
肉や野菜が金属の串に刺さっていて、色取も綺麗で美味しそうだ。
大きな皿には、フルーツが一口大に切って盛り付けてある。
こんなに豪華なバーベキューは初めてだ。

私の知っている、バーベキューとはだいぶ違う。
自分たちで火を起こして、肉を焼く訳ではなさそうだ。

「藤堂、久しぶりだな!」
「おぉ、田中、元気だったか?」

幼馴染の田中さんは、とても明るく人懐っこい雰囲気。
少し日焼けした肌が、とても爽やかだ。
優斗さんは、私に田中さんを紹介してくれた。

「芽衣、幼馴染の田中誠だよ。幼稚園から一緒なんだ。」
「木下芽衣です。よろしくお願いします。」

田中さんは、私を見て、目を大きくして驚いている。
「藤堂が彼女を連れて来たのは、初めてだよ。芽衣ちゃんよろしくね。」

優斗さんは、少し恥ずかしそうな顔をしている。
彼女を連れて来たのは、初めてと聞いて私も驚いた。

それなのに、私が来て良かったのかと心配になる。

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