イケメン御曹司の甘い魔法
お揃いのコーヒーカップに熱い珈琲が注がれる。
珈琲の香が部屋に広がる。
「芽衣、珈琲淹れたよ。ミルクたくさん入れてあるから、落ち着くかも知れないよ。」
珈琲を少し口の中に入れると、ミルクが優しく広がった。
強張っていた気持ちが、少し溶けていくように感じる。
「優斗さん、有難うございます。もう大丈夫です。」
「芽衣、明日は会社休んだ方が良いかも知れないな…」
優斗さんはとても心配しているようだ。
私は心配かけないよう、努めて笑顔を作った。
「私は大丈夫です。こんな事くらいで負けませんよ。」
「芽衣、高宮部長の一派が何をするか分からないぞ…」
私はこんな脅しには、絶対に負けたくなかった。
優斗さんに心配をかけないため、しっかりしなくては…