イケメン御曹司の甘い魔法
私は営業課から秘書課に異動となり、一週間が過ぎていた。
少しずつではあるけれど、秘書課の仕事も覚え初めてきたところだ。
優斗さんは副社長に就任して、毎日挨拶等で忙しくしている。
そんなある日、いつも静かな秘書課がザワザワと騒がしい、他の課の女性も集まっている様にも見える。
何があったのだろうと、皆が集まっている所を覗くと…
あの九条社長だ!
女性社員に囲まれて、噂の通り大人気だ。
私は見つからないように、そっと逃げようとしたその時…
「やぁ、木下さん、先日はランチ付き合ってくれてありがとう!」
もちろん、集まっていた女性たちは全員私に注目した。
優斗さんとのことで、すでに女性たちから睨まれているのに、今度は九条社長。
最悪だ!!
私は逃げるしかないと思い、その場所から走って逃げようとするが、九条社長の秘書らしき男性二人が追いかけてくる。
すぐに追いつかれた。
「木下様、お待ちください!九条が貴女にお話があると申しております。」
「私は九条社長とお話しすることは、ご・ざ・い・ま・せ・ん!」
何とかこの場から逃げようとするが、九条社長がクスッと笑いながら近づいてくる。
「木下さん、秘書課の上司には木下さんを少しお借りする許可を頂いて来た。会議室に案内してくれるかい?」
「-----はぁ?」
なんと、九条社長は秘書課の上司に話しをして、許可を取って来たという。
私はしぶしぶ九条社長達を会議室に案内した。
(…秘書もいるし、まさか会社内で変なことしないよね…)