イケメン御曹司の甘い魔法

お昼少し前に、優斗さんは外出先から会社に戻って来た。
忙しい優斗さんに申し訳ないと思いながらも、大騒ぎになる前に伝えなくてはならない。

「藤堂さん、今お時間よろしいでしょうか?」
「芽衣、どうした?何かあったか?」
「実は----」

言い難そうにしている私に、優斗さんはお昼を食べながら話を聞くと言ってくれた。
お昼はどこのお店も混んでいるので、社食で昼食を摂ることにした。

久しぶりに大好きな醤油ラーメンを選ぶ。
優斗さんも同じメニューを選んでいる。

優斗さんが副社長になってから、社食に来るのは珍しいようで、かなり注目を浴びているようだ。
女性たちがざわついているのが分かる。
そこに一緒にいる私は、視線が突き刺さるようで居ずらい。

しかし、それよりも両親が来る一大事を優斗さんに伝えなくてはならない。

「優斗さん、実は大変なことになりました-----------」

優斗さんに、母から連絡があったこと、私のアパートに来ると言っていることを伝えた。
どうしたら良いのもかと相談した。

荷物をいまさら戻すのも難しい状況だ。
困っている私に、優斗さんは迷うことなく話し始めた。


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