イケメン御曹司の甘い魔法
両親が立ち上がり、帰ろうとしている。
私はどうすることも出来ず、オロオロしているだけだった。
すると、入り口から一人の男性が入って来た。
社長だ。
社長は私の両親の前に立ち、深く頭を下げている。
「木下さん、愚かな息子を許してください。私の育て方が悪かったようです。」
私は慌てて社長に駆け寄った。
「---社長!もう良いです。止めてください。」
私は社長と両親に、もう一度なんとか椅子に座ってもらうよう引き止めた。
全員が座ったところで、深く頭を下げた。
「今回のことは、全て私が両親に話をしていなかったことが原因です。皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。優斗さんは、私を狙う人たちから守ってくれたのです。悪いのは全て私なのです。」
父は厳しい目で私を見ている。
「芽衣、そうだな。お前が一番悪い。こんなにも周りの人を巻き込んで、お父さんは恥ずかしいよ。もう家に帰ってきなさい。」
「お父さん!どうして…」
私は涙が溢れて、頬に流れ落ちていた。