イケメン御曹司の甘い魔法


ピピピピピピ----------

聞き慣れた携帯のアラームが鳴った。

目を開けると、見慣れない天井が見えた。

(…あれっここどこだっけ?…)

肩に少し重みを感じて、横を見ると-----


(-------------------な----な----なぜ!!--------------)

隣には藤堂さんが寝ていた。
肩の重みは、藤堂さんの腕が肩に置かれているからだ。

朝の回らない頭を、頑張って働かせて昨日のことを思い出してみる。

確か、藤堂さんの家にお邪魔して、ワインを飲んだところまでは覚えている。

------ということは!!

恐らく私は、ワインを飲んでそのまま寝てしまったのだろう。

まだ寝ている藤堂さんの顔を、もう一度見てしまう。
長い睫毛に、形の良い高い鼻、少し薄めの唇。
こんなにも綺麗な顔の男性がいるのだろうか。
思わずじっと見惚れていると、いきなりパチッと藤堂さんが目を開けた。

「-----あっ---」

慌てて声を出してしまった。

「----おはよう、木下さん。」
「お---おはよう---ございます。たぶん、私はすごくご迷惑かけたみたいで…」

藤堂さんはクスッと笑って私の頬に優しく触れた。
顔が熱くなり、真っ赤になっているのが分かる。

「昨日の木下さんは、すごく大胆で可愛かったよ---」

その言葉に、私は何をしてしまったのかと、不安になった。

「あの---私は、何をしたのでしょうか?」

「木下さんは、ワインを飲みながら、その場で寝てしまったので、ベッドまで運んだんだ。」

「そ---それだけですか?」

藤堂さんはクスクスと笑い出したので、恐らくそれ以外にも、何かしてしまったことは確実だ。

聞くのが恐い。

「ベッドから離れようとしたら、一人では寝られないから、抱っこしてくれって離してもらえなくてね…甘えて可愛かったよ。」

何ということを藤堂さんにしてしまったのだろう。
穴があったら入りたい、まさに今そんな気持ちだ。

そして、気づいたことがある。
下着はつけたままだが、着ていた服は綺麗にハンガーにかけてある。
恐らく今着ているのは、藤堂さんのシャツだろう…ということは…
藤堂さんが着替えさせてくれたことに、間違いない
恥ずかしくて、もうどうして良いのか分からず、パニックになりそうだ。

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