イケメン御曹司の甘い魔法
私はベッドの上で正座をして、土下座の様に頭を下げた。
私史上、もうこれ以上ないほどの謝罪だ。
「と---と---藤堂さん、いろいろと申し訳ございませんでした。」
藤堂さんはニコリと笑い、私の肩を掴んで起き上がらせた。
「木下さん、そんなに謝らないで---むしろ俺は嬉しかったけどね---」
藤堂さんは、何て優しいのだろう…私のためにきっと気を使ってくれているのだろう思う。
私は居たたまれず、急いでベッドから降りて、帰り支度をしようとジタバタしていた。
「木下さん、今日は何か用事あるの?」
「い---いえ---でもご迷惑になるので、すぐに失礼致します---」
藤堂さんは、いつの間にか自分も着替えを済ませている。
白いTシャツに、タイトなベージュのコットンパンツ、そして手にジャケットを掴んでいた。
なにげない服装だけど、藤堂さんが着るとすごくお洒落に感じる。
そんなことを考えていると、また私は手を掴まれた。
慌てて自分のカバンを取りに行こうとするが、手を放してくれない。
「朝食を食べるだけだから、カバンいらないだろ?ほら行くぞ…」
「-------えっ、朝食ですか?」
藤堂さんは私の手を引いて、家のドアを出るとエレベーターのボタンを押した。